911以降のミュージカル

同時多発テロウィキッド 「ウィキッド」のテーマには、
見た目がマジョリティーと違っているものは「悪」なのか。
人心の不安を解消するために、共通の恐ろしい敵を作り出す、という政治手法
みんなが正しいと信じたことが真実になる、
など、明らかに2001年9月11日の同時多発テロ以降の、アメリカのテロ対策や、アメリカ国内で起きている中東系の人たちへの排斥運動を意識していると思われる描写があります。
初演からアメリカ国内で「ウィキッド」に対する評価が分かれている理由のひとつです。
NHK BSで放送されたブロードウェイミュージカル特集で、スーザン・ストローマン(「プロデューサーズ」の演出、振付)は、「みんな、つらい現実から逃げたがっています。ですから当分はミュージカルコメディが人気を博するでしょう」と語っています。しかし、コメディ「ヘア・スプレイ」でも60年代の黒人差別が描かれたように、アメリカの中でも、「誰かが悪いことにして排除しても問題は解決しない」という意識はあるのではないでしょうか。

「おしろいぐさのせい」

夫:toshi「『でもそれはおしろいぐさのせいで、あなたのせいではないでしょ?』」
妻:masa「なに、いきなり」
夫:toshi「いや、お正月の観劇を思い出して。」
妻:masa「エルファバは、次の子供も緑色の肌になるのでは、と心配したお父さんががお母さんに毎日おしろい草を食べさせて、未熟児で生まれたネッサローズの脚が不自由になり、お母さんが死んでしまった、ということを自分のせいだと思っているけれど、それをグリンダがエルファバのせいじゃない、と慰めるせりふだよね。」
夫:toshi「うん、でも本当は『おしろいぐさのせい』ですらないよね。食べさせすぎたせい。」
妻:masa「お父さんは、自分のせい、ということを認められなくて、エルファバを憎んでいる、ってことだと思う。」
夫:toshi「ここ何年か、アメリカで議論されていることのひとつに、これまでアメリカが共産勢力に対抗させるために支援してきた各国の反政府勢力がことごとくアメリカに反旗を翻している、ということがある。
911にしてもある日突然、イスラム過激派のテロ勢力が沸いて出てきたわけではないよね。
湾岸戦争のときに中東に侵攻したアメリカ軍の女性兵士がビキニ姿でいたことに宗教的・文化的に侮辱されたと思った人たちが大勢いた、とか、世界中、アメリカ基準の民主主義を広めればオールOK、みたいな欺瞞が原因のひとつだ、ということを認めないのは、あのお父さんとか、オズの魔法使いといっしょだよね。

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